研究課題
水耕栽培したミヤコグサに発達する二次通気組織においてトリテルペノイドの一種であるベツリン酸生合成が顕著に活性化されることが判明した.二次通気組織のトランスクリプトーム解析を行った結果から,ベツリン酸生合成酵素遺伝子の発現を正に制御する転写因子候補として2種のbHLH型転写因子(LjbHLH32およびLjbHLH50)を見いだした.これらの転写因子を過剰発現する形質転換ミヤコグサ毛状根ではベツリン酸生合成酵素遺伝子の発現レベルが上昇するとともにベツリン酸量が有意に増高することから,LjbHLH32およびLjbHLH50はベツリン酸生合成活性化因子であることが示唆された.また,ダイズからはソヤサポニン生合成を活性化する転写因子の候補として1種のbHLH型転写因子を見出した.本転写因子を過剰発現する形質転換ダイズ毛状根では,ソヤサポニン生合成に関わる酵素遺伝子の発現が顕著に増高すること,ソヤサポニンIおよびその中間体の量が増加することが判明した.そのため,空ベクターコントロール毛状根と転写因子過剰発現毛状根の比較トランスクリプトーム解析を実施している.マメ科薬用植物カンゾウ(甘草)の液体培養ストロンにおいては甘味サポニンであるグリチルリチン生合成の鍵酵素であるCYP88D6の発現が抑制されているためグリチルリチンが産生されない.CYP88D6の発現抑制機構を調べるため,エピジェネティック阻害剤のDNAメチル化酵素阻害剤を添加した結果,CYP88D6遺伝子の発現上昇が見られた.そのため,グリチルリチン生合成が活発な土壌栽培根と液体培養ストロンのEM-Seq を行ったので,今後データ解析を行う.
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 3件、 オープンアクセス 5件、 査読あり 4件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 3件)
bioRxiv
巻: PPR572402 ページ: PPR572402
10.1101/2022.11.16.516519
Research Square
巻: PPR568134 ページ: PPR568134
10.21203/rs.3.rs-2230730/v1
DNA Res
巻: 29 ページ: 1-14
10.1093/dnares/dsac043
Front. Plant Sci.
巻: 13 ページ: 991909
10.3389/fpls.2022.991909
Front. Bioeng. Biotechnol.
巻: 10 ページ: 955650
10.3389/fbioe.2022.955650
植物の生長調節
巻: 57 ページ: 77-83
酵素工学ニュース
巻: 88 ページ: -