研究課題/領域番号 |
20H02916
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
沼田 倫征 九州大学, 農学研究院, 准教授 (10401564)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | CRISPR-Cas / トランスポゾン / CAST / PAM / ゲノム編集 / クライオ電子顕微鏡 / 単粒子解析 / 定量PCR |
研究成果の概要 |
CASTは、CRISPR-Casエフェクター(Cascade)とトランスポジションタンパク質(TnsA、TnsB、TnsC、TniQ)が共同してDNA上を転移するトランスポゾンである。本研究では、標的DNAと結合したTniQ-Cascadeを調製して、クライオ電顕単粒子解析により、複合体の構造を決定した。その結果、エフェクターとPAMとの相互作用機構が明らかになった。PAM配列に変異を導入した標的プラスミドを作製してDNA転移効率を測定し、TniQ-CascadeによるPAM配列の特異性が明らかになった。また、変異型TniQ-Cascadeを調製しDNA転移効率を定量PCRにより解析した。
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自由記述の分野 |
応用生物化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Cas9を利用したゲノム編集では、細胞に備わっている相同組換え修復を利用して遺伝子をノックインする。一方、CASTはトランスポジションタンパク質の活性を利用してゲノムにDNAを挿入するため、既存のしくみとは全く異なる機構でゲノムを編集することができる。さらに、CASTは長鎖DNAをゲノムに挿入することが可能であるため、これまで困難であった大きな遺伝子を細胞のゲノムにノックインすることが可能になると考えられる。このように、CASTを利用することで既存のゲノム編集を凌駕する技術開発が期待できる。CASTの研究は、細菌における病原因子の伝達機構を理解する上でも重要であり、意義の大きな研究である。
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