本研究では肝臓時計や他の臓器の時計がどのように、同調、制御されるかについて検討し、その臓器間のクロストークについて検討してきた。これまで、インスリンが肝臓時計を同調する強い因子であることを明らかにしてきた。インスリンと同様にリズムの位相に違いが見られた遊離脂肪酸や胆汁酸が同調因子候補となることがわかった。筋肉の時計も摂食タイミングにより、筋肉量が制御されることが明らかとなった。インスリンの同調作用のズレが、肝臓や筋肉の恒常性に異常をきたし、摂食タイミングが臓器間の生物時計のクロストークを介して、メタボリックシンドロームやロコモティブシンドロームに影響を与えることが明らかになった。
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