研究課題
カルシウム蛍光指示薬Fura-2を細胞にロードする際に用いるProbenecidの細胞内カルシウム応答に及ぼす影響を調べたところ、Detroit562細胞においては、Probenecid不使用時のみ、低ずり応力刺激に応答して細胞内カルシウム濃度が上昇し、刺激負荷後も高濃度で維持された。まず、Detroit562のTRPV4を受容体拮抗薬で阻害したところ、カルシウム応答がほとんど完全に抑制された。また、TRPV4あるいはPANX1を阻害することで、ずり刺激に伴う細胞内からのATP放出量が有意に減少した。続いて、PANX1、P2受容体の拮抗薬によりATPシグナルを阻害した際のカルシウム応答について調べたところ、ずり刺激負荷開始直後の細胞内カルシウム濃度の上昇は見られたが、その後の持続的な応答は消失した。ずり刺激負荷後の経時的な細胞応答の様子を蛍光顕微鏡にて観察したところ、カルシウム応答が細胞間で伝播していることがわかった。一方、TRPV4欠損HAP1細胞株を用いて、粘性の異なる溶液のずり応力に対する細胞応答について解析し、TRPV4受容体は流体の粘性に依存してずり応力刺激を感知することを明らかにした。前年度に確立した胆汁酸の可視化情報に加えて、タンパク質やペプチドを対象分子にしたMALDI型質量分析法を用いたイメージング質量分析法を駆使して、哺乳1日目新生児マウス体内における母乳成分の消化吸収プロセスの可視化に取り組んだ。PV-Creマウス(Tg(Pvalb-cre)1Tama)のCre発現を調べたところ、腸管での発現が弱いものの、食道にて強い発現が認められたことから、食道における食物応答レポーターマウス作製のために使える可能性がある。さらに、アデノ随伴ウイルスによる腸管での遺伝子操作手法を検討した結果、セロタイプPHP.Sのアデノ随伴ウイルスが本目的に適することが判明した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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