研究課題
健康寿命の延伸には、運動器の障害(ロコモ)とメタボの同時予防が必要となる。両シンドロームに共通する慢性疾患予防には炎症の制御が重要で、抗炎症作用のある食品成分と生理活性が高い腸内代謝産物に着目した。本課題では腸内環境制御が炎症制御に繋がることで両シンドロームの予防がより効果的となることを期待し、寄与度の高い食品成分を選択、ヒト試験も試みた。これまで抗炎症及び破骨細胞分化抑制能を有する成分を確認し、抗老化タンパク質SMP30発現を制御する成分も同定した。骨・脂質代謝両異常モデルの作製は道半ばであるが、炎症による褐色脂肪細胞の熱産生(UCP-1)阻害を改善する食品成分の評価法を確立し、ショウガ麹によるUCP-1発現の改善を確認した。発酵による代謝産物による効果と推察されたが、その成分同定には至っていない一方で効果の高かった黒ショウガ抽出物(BGE)では、5位と7位にメトキシ基の付いたポリメトキシフラボンが活性本体であり、BGE投与マウスの脂肪組織でのUCP-1発現の増加も確認された。代謝産物と炎症・腸内環境制御に関して、イソフラボン代謝産物のequol(Eq)産生能を検討するヒト介入試験を再度計画した。前回は前駆体とプレバイオティクスとの併用で介入前後のEq産生を比較し、非産生者での有意な増加を確認した。しかし、この際増加するのはEq産生菌ではなく、恐らく前駆体daidzeinがEqに変換されるには水素ガスの増加が重要と考え、今回は高濃度水素ゼリーと豆乳を被験食とした。1週間の介入後、前回と同様な傾向となり、水素(H+)の関与が濃厚となったが、今後の詳細な検討が必要とされる。介入前後の腸内細菌叢の変化は殆ど無かったが、産生者と非産生者では細菌叢が異なっていた。産生者ではEq産生菌が検出され、特にAdlercreutzia equolifaciensの検出割合が高かった。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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