研究課題/領域番号 |
20H02939
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
西山 千春 東京理科大学, 先進工学部生命システム工学科, 教授 (20327836)
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研究分担者 |
八代 拓也 東京理科大学, 基礎工学部生物工学科, 講師 (00726482)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 短鎖脂肪酸 / マスト細胞 / 多価不飽和脂肪酸 / PGE2 / Gタンパク質共役型受容体 / GPR109A / IgE / アナフィラキシー |
研究成果の概要 |
短鎖脂肪酸(SCFA)は、難消化性食物繊維が腸内細菌によって分解される際に生じる酪酸やプロピオン酸などを指す。IgE依存的なマスト細胞活性化は、酢酸を除くほとんどのSCFAによって有意に抑制される。私達は、SCFAの抗アレルギー作用機構を解析し、ヒストンアセチル化酵素(HDAC)阻害活性と、Gタンパク質共役型受容体GPR109Aのリガンド活性の、少なくとも2通りの作用点があり、プロスタグランジンPGE2と受容体EP3がSCFAの抗アレルギー効果に寄与すること、ニコチン酸によるGPR109A活性化も生体アレルギー反応を抑制することなどを明らかにした。
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自由記述の分野 |
免疫・アレルギー学、分子栄養学、食品機能学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、SCFAがIgE依存的マスト細胞活性化を抑制する仕組みをin vivo、in vitro実験系を用いて明らかにし、罹患者数が多く且つ近年増加の一途を辿るアレルギー疾患の緩和に、日々摂取する食品成分が影響を及ぼすことを証明した。アスピリンやインドメタシンがその効果を阻害することや、ビタミンB3であるニコチン酸にもアレルギー抑制効果があることなど、非ステロイド性抗炎症薬やサプリメントの作用が生体レベルで明らかにされた。マスト細胞上のGPR109Aが果たす役割やSCFAとプロスタノイドの関係など、アレルギー疾患の病態緩和や予防を目指す次なる研究課題の提案に繋がった。
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