ヒト旨味受容体は、アミノ酸の中でもグルタミン酸に対して強く反応するが、その生理的意義は明らかでない。本研究では、ヒトを含む様々な動物種間で、旨味受容体の機能及び食物を比較し、ヒト旨味受容体の特徴である高いグルタミン酸活性が、どのような食物成分の味・栄養素検出と結びついているかを検証した。 結果、霊長類の共通祖先の旨味受容体はグルタミン酸ではなくヌクレオチドのセンサーとして機能していたこと、ヒトの祖先を含む一部の中・大型霊長類の系統において旨味受容体がグルタミンセンサーへと機能転換し、新たなタンパク質供給源としての葉の利用に貢献してきたことを見出した。
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