研究課題/領域番号 |
20H02951
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
|
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
有村 源一郎 東京理科大学, 先進工学部生命システム工学科, 教授 (60505329)
|
研究分担者 |
澤崎 達也 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (50314969)
松井 健二 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (90199729)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 植物間コミュニケーション / 揮発性化学物質(VOC) / エピジェネティック / 害虫 |
研究成果の概要 |
植物は、揮発性化学物質(VOC)を大気中に放出することで周囲の植物とコミュニケーションを図ることができる。VOCであるオシメンに曝されたシロイヌナズナの葉では、防御応答関連転写因子であるERFの遺伝子領域がヒストンアセチル基転移酵素であるHAC1、HAC5、HAM1によってアセチル化制御され、ヒストン脱アセチル化酵素であるHDA6によってフィードバック制御されることで遺伝子発現制御されることが見出された。さらに、ハスモンヨトウ幼虫に食害されたトマト葉で発現が誘導されるVOC輸送候補分子が、食害時特異的にVOCの細胞外輸送を担う分子である可能性が示唆された。
|
自由記述の分野 |
分子生態学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物に嗅覚があるか?植物の感覚受容システムを解き明かすのは学術的に極めて重要な課題である。本研究ではその作用機序の一部を解明することによって、VOCを介した植物の生存戦略とコミュニケーション能力に関する新規知見を得た。また、当該コミュニケーションは植物の害虫抵抗性を強化する効果があることから、植物のVOC成分をバイオスティミュラント資材として、あるいは有用VOCを放出する植物をコンパニオンプランツとして用いることで農業における害虫防除につながることが期待される。本研究の成果はそれらの実装に向けた新たな学術基盤を構築した。
|