研究課題
本研究は、植物生殖の初期重要ステップである「受粉」について、リガンド・レセプターを中心とした情報認識機構に焦点を絞り、受粉時の「自他認識後花粉拒絶機構」と「花粉発芽」を制御するメカニズムの解明を目的としている。最終年度である今年度は、すべての結果を総括し、受粉の最初と最後を司る分子メカニズムの本質を明らかにする。自家不和合性の「自他認識に続く花粉拒絶システム因子」については、昨年度明らかにした花粉自身の能動的吸水システムに関する種々の実験により、受粉前後・和合/不和合反応時発現遺伝子変動データから見出した花粉給水の制御因子候補がカルシウムイオンの出流入を制御するカルシウムポンプおよびチャネルであることを明らかにした。また、これら因子の変異体を用いた観察実験により、花粉の能動的吸水はカルシウムイオン濃度を介して吸水と脱水を繰り返すことで、花粉発芽に移行するための適正な吸水量が制御されていることを明らかにした。花粉発芽を誘起する因子候補CR3については、昨年度のプルダウンアッセイによる検証実験に加え、Y2HによるCR3とPRK1およびPRK3の結合を検証する実験を行った。その結果、CR3・PRK1ペアおよびCR3・PRK3ペアだけでなくコントロールペアにおける結合が見られ、CR3・PRK1ペアおよびCR3・PRK3ペアのみの特異的な結合を実証するには至らなかった。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Nature Communications
巻: 14 ページ: 7618
10.1038/s41467-023-43275-2