研究課題
基盤研究(B)
植物生殖の様々な過程では、雌性配偶子と雄性配偶子間で様々な情報交換が行われ、それによって子孫を残すべきパートナーとの適切な生殖が達成されている。本研究では、植物生殖の初期ステップである「受粉」の開始と終了を司る情報認識機構に関する研究に取り組み、①花粉認識後の花粉吸水は、カルシウムイオン濃度の調整を介した吸水・脱水メカニズムによる能動的調整システムを花粉自身が有することを明らかにし、②花粉吸水に続く花粉発芽は、花粉自身が有するリガンドとレセプターがその誘起スイッチを司る可能性を見出した。
植物分子遺伝学
情報認識機構は、植物生殖における様々な過程で正しく子孫を残すために重要な役割を担っている。しかしその分子メカニズムについては明らかになっていないものが多く、本件研究が焦点を当てた植物生殖の初期ステップ「受粉」もその例に違わない。本研究では、受粉の最初と最後を司る情報認識機構の分子メカニズムの一端を明らかにするとともに、種苗産業界における安定的採種技術の確立のための情報基盤を提供した。