研究課題
HPLCおよびLC-MS/MS分析により、‘友弘’の着色肥大根茎には、delphinidin-3-glucoside、cyanidin-3-glucoside、petunidin-3-glucoside、pelargonidin-3-glucoside、peonidin-3-glucoside、およびmalvidin-3-glucosideの6種類のアントシアニンが含まれていることを明らかにした。‘友弘’の花弁にも着色根茎と同じ6種類のアントシアニンが含まれており、両器官において同様のアントシアニン生合成経路が機能していることが明らかになった。‘友弘’の赤色根茎および白色(未着色)根茎、白色根茎品種の‘備中’、‘小寿星’を供試し、アントシアニン色素関連遺伝子の発現を調査したところ、CHS遺伝子(1種)、CHI遺伝子(1種)、F3’H遺伝子(3種)、F3’5’H遺伝子(1種)、DFR遺伝子(3種)、ANS遺伝子(1種)、GST遺伝子(3種)の発現が確認された。これらすべての遺伝子において、‘備中’に比べ‘友弘’白色根茎で発現量が高く、‘友弘’赤色根茎では多くの遺伝子で発現量が低かった。‘小寿星’では‘備中’に比べ多くの遺伝子で発現量が低いか、発現が確認できなかった。‘友弘’栽培時のアブシジン酸溶液湛液処理を行うと、6月および7月調査時の両方で、対照に比べて根茎の表皮および内部の着色が進行しており、アブシジン酸処理によるアントシアニン蓄積効果が認められた。RAD-seq解析により12か所のSNPを検出し、このうち4か所から作製したdCAPSマーカーの適用性の検証により、これらのマーカーが根茎着色遺伝子と連鎖関係にあり、早期選抜に適用できることが明らかになった。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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The Horticulture Journal
巻: 91 ページ: 366-374
10.2503/hortj.UTD-350