ファイトプラズマは植物に寄生して病気を引き起こす病原細菌です。ファイトプラズマは昆虫によって媒介されますが、このような植物病原体は地球温暖化とともにその感染範囲を拡大させており、近年の重要な課題となっています。本研究ではファイトプラズマが宿主を操作する分子メカニズムを解析することを目的としました。ファイトプラズマが分泌するタンパク質の一つであるPHYLについて調べたところ、PHYLは植物のSEP3をユビキチン非依存的に分解することがわかりました。ユビキチン化を必要としないユニークな分解機構は他の生物では見られないものであり、ファイトプラズマの宿主操作を解明する上での重要な知見が得られました。
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