研究課題/領域番号 |
20H02994
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
門田 康弘 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 専任研究員 (80548975)
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研究分担者 |
植原 健人 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中日本農業研究センター, 産学連携コーディネーター (30355458)
望田 啓子 (桑田啓子) 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任講師 (70624352)
加藤 大明 京都大学, 農学研究科, 特定研究員 (70642635)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 植物免疫 / 植物寄生線虫 / MAMP / 免疫受容体 |
研究実績の概要 |
植物寄生線虫は、様々な農作物に感染し甚大な被害をもたらす病害虫である。植物は病原体由来のMAMPs (microbe-associated molecular patterns)と総称される物質を細胞膜上のMAMP容体を介して認識して免疫反応を誘導する。しかし、植物寄生線虫におけるMAMP及びその受容体についてはほとんど理解が進んでいない。そこで、本研究では植物が認識する線虫由来の物質(MAMPs)を単離するとともに、遺伝学的、及び生化学的アプローチにより、植物の受容体、受容体結合因子、及び情報伝達系の因子の同定を目指す。これまでの研究により、線虫由来のペプチドX (PPN-X)はシロイヌナズナにおいて免疫応答を誘導することを発見した。そこで、遺伝学的手法によりPPN-Xに対して低感受性を示す変異体を探索した。また、シロイヌナズナの様々なエコタイプを取り寄せ、感受性を調べたところ、エコタイプによりPPN-X感受性が大きく異なることが分かった。さらに、生化学的手法を用いて線虫由来の新規MAMPの探索を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遺伝学的スクリーニングが動き出し、変異体の候補を得ることができた。また、シロイヌナズナのエコタイプにはPPN-Xに対して低感受性を示すものや、高感受性を示すものがあることを発見した。さらに、カラムクロマトグラフィーを用いて新規MAMP活性物質の精製を進めている。このように、MAMP受容体、及び新規MAMP活性物質の同定に向けて前進していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も遺伝学的スクリーニングを進め、PPN-X受容体の探索を行う。また、シロイヌナズナのエコタイプ間におけるPPN-X反応性の違いから組み換え近交系(Recombinant Inbred. Line: RIL)を用いたPPN-X受容体の同定も検討する。さらに、カラムクロマトグラフィーを用いたMAMP活性物質の精製を進め、新規MAMP活性物質の同定を目指す。
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