| 研究課題/領域番号 |
20H03006
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| 研究機関 | 筑波大学 |
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研究代表者 |
岡根 泉 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (60260171)
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| 研究分担者 |
山岡 裕一 筑波大学, 生命環境系, 教授 (00220236)
小野 義隆 茨城大学, 教育学部, 特命研究員 (90134163)
糟谷 大河 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 准教授 (90712513)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | コーヒーノキ葉さび病 / Hemileia vastatrix / ハプロタイプ / ITS rDNA / MIG-seq法 / 集団遺伝学 / 遺伝的多様性 / ベトナム |
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| 研究実績の概要 |
ベトナム北部、中部、南部のコーヒープランテーションで収集されたコーヒーさび病菌を供試し、コーヒーノキとその近縁植物を宿主とするHemileia属サビキンの種の特定と、遺伝子解析による本菌の種内変異について調査を行った結果、ベトナムの主要コーヒー栽培地域では本病が広く発生しており、原因サビキンはHemileia vastatrixであることが形態および分子情報により確認された（昨年度報告）。
以上を踏まえ、昨年より引き続いて核リボゾームDNA ITS領域の塩基配列の違いに基づいたハプロタイプを識別し、タイおよび南米各国で発生したサビキンのデータも加えて分子系統学・集団遺伝学的調査を進めた。その結果、ベトナムのH. vastatrix集団に36のハプロタイプを見出し、祖先ハプロタイプとそこから派生したハプロタイプの分布状況から、ベトナムでの本病の発生が主要生産地である北西部を起源として南部へ広がったと推定した。また、現在ベトナムでのコーヒーの主要生産地の1つである南部の中央高原を起源としたサビキン集団が、ベトナム南部でさらに拡大している可能性についても認めた。そして、これらの成果を論文化し公表に至った。
さらに、ベトナムのH. vastatrix集団について、集団内での系統関係、遺伝子流動等に基づいた集団遺伝学的特徴を明らかにするため、MIG-Seq法を用いてゲノム中のマクロサテライトに挟まれた領域（Inter Simple Sequence Repeat：ISSR）の一塩基多型（SNP）を検出し、ゲノムワイド一塩基多型の遺伝子型決定を行った。その結果、118の分離株で合計1075のSNPが同定された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により、ベトナムへの入国およびベトナム国内の複数州を移動しながらの採集調査が実施不可能となった。また、それによって新規のベトナム産試料を入手し、その解析を実施することが出来なかった。
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| 今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスに関わる規制が緩和され、渡航後の調査にも支障が無いことが判断され次第、ベトナムでの第1回目の現地採集調査を実施する。調査地はベトナム北部の国立公園内とする。この調査にはNguyen, Duc Huy博士[ベトナム国家農業大学（VNUA）]も同行し、安全性と効率に配慮した採集調査を行うこととしている。
採集したサビキン標本は、現地にて適切に処理を行い乾燥標本とする一方で、DNA抽出材料として適切なサンプルをシリカゲル乾燥法により確保する。宿主植物の同定は、VNUAの植物分類学者の協力の下で可能な限り現地にて行うこととする。これらの採集試料については、農林水産大臣許可を事前に得た上で輸入し、筑波大学、茨城大学および慶應義塾大学にて形態および分子生物学的手法により同定する。
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