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2021 年度 実績報告書

広域環境変動下での生物群集レジリエンス評価・予測に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20H03010
研究機関国立研究開発法人国立環境研究所

研究代表者

角谷 拓  国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 室長 (40451843)

研究分担者 鈴木 健大  国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 開発研究員 (00748999)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード群集生態学 / 安定性 / 共起性
研究実績の概要

本研究は、広域的な環境変動に対する生態系の応答予測の汎用的な枠組みを作ることを目的とした。特に、生物群集内の生物間相互作用を明示的に考慮し、これまで理論や実験等では困難であった、複雑な野外群集全体を対象として安定性の広域的な定量化や安定性自体の環境依存性の解明を可能にする手法の開発を行った。本研究では、大規模な生物分布情報から種の生起性を定量化するための統計モデルとしてPairwise maximum entropy modelを利用する。このモデルは、ある群集組成が生じる確率Pを、環境と生物間相互作用にもとづいて複合的に推定するモデルである。モデルに含まれるパラメータは、観測データである群集組成と環境因子から最尤法で推定できる。推定されたパラメータは、各種が他種や環境要因から受ける影響の正負やその大きさを表しており、種レベルの特徴が群集レベルの環境応答にどのような役割を果たしているかを理解するための基盤となる。さらに本研究では、エネルギーランドスケープ解析の手法を新規開発し、数十種以上を含む生物群集組成の決定機構(安定な群集組成の数やそれらの関係性など:エネルギーランドスケープの構造に反映される)の解明に利用するため、より汎用性の高い解析プログラムの開発とパッケージ化を行った。
さらに、漁業、レジャー等を通じて人間社会にも直接的な貢献が大きく、気候変動や土地利用など様々な人間活動に感受性が高い淡水魚類群集等の実際の生物群集を対象として、上記の手法を適用・検証した。特に、ヨーロッパ、北米、アジア地域から淡水生の魚類群集データを収集し、上記で開発した手法を適用することで、群集の組成や多様性パターンに対して、気候や土地利用などの環境条件や種間の相互作用がどのように影響をしているかを定量化した。また、それぞれの環境条件の下での各調査地点における群集の安定性の定量化を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ事由によりデータ収集を延期したため繰越を行った。

今後の研究の推進方策

延期したデータ収集を予定通り実施し、研究成果を公表する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Emergent dual scaling of riverine biodiversity2021

    • 著者名/発表者名
      Terui, A., Kim, S., Dolph, C. L., Kadoya, T., & Miyazaki, Y.
    • 雑誌名

      Terui, A., Kim, S., Dolph, C. L., Kadoya, T., & Miyazaki, Y. (2021). Emergent dual scaling of riverine biodiversity. Proceedings of the National Academy of Sciences

      巻: 118 ページ: e2105574118

    • DOI

      10.1073/pnas.2105574118

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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