研究課題/領域番号 |
20H03013
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
齋藤 馨 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (70215531)
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研究分担者 |
鎌田 直人 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (90303255)
藤稿 亜矢子 東洋大学, 国際観光学部, 教授 (20732754)
中山 雅哉 東京大学, 情報基盤センター, 准教授 (90217943)
後藤 晋 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (60323474)
藤原 章雄 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60292794)
鈴木 智之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (20633001)
中村 和彦 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (70707075)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自然風景地 / 保護 / 利用 / サイバーフォレスト / 科学と芸術 / 倒木更新 / 文学 |
研究実績の概要 |
都市から離れた東京大学北海道演習林前山保存林内・サイバーフォレスト前山サイトの自然風景とその映像音を、情報通信技術(ICT)の活用により都市住民の身近な自然資源として捉え直し、都市住民の自然風景地に対する保護と利用の意識変容を把握することを目的とする。 前山サイトは倒木ギャップにあるが、倒木更新は、森林生態学の対象である一方で、文学などの芸術の対象でもある。科学と芸術の両観点から、インターネットの先にある自然風景地に関する都市住民の意識を把握したうえで、ICTを基盤とした自然風景地の次世代的な価値を評価し、新たな自然風景地の保護と利用を考察する。 1.研究協力者の青木奈緒氏に倒木更新ライブモニタリング地点の東京大学北海道演習林前山保存林を現地案内し、ご本人の意思で「森へ」と題した随筆の連載が開始された。倒木更新のことや北海道演習林の林分施業方などについての随筆は、本研究研究分担者を含めた森林科学の研究者にとって文学表現による新たな森林情報としての価値を検討し、共有した。 2.online 国際シンポジウム 2020年3月に、海外研究者4名を含む12名による'Online Interactions for Remote Forests and People: Fostering the “Sense of Globe” and meeting the Acoustic Commons'を開催しライブモニタリングと市民との関係性に関する知見を共有し、本研究のデータ収集を行った。 3.2020年5月onlineワークショップ「サイバーフォレストに耳を澄ます・思い描く・書き起こす」を実施し、onlineの森についての散文表現し、参加者で共有し、本研究のデータ収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題は、2019年10月の計画時には想定していなかったCOVID-19により2020年4月時点でフィールドワークや対面ワークショップ/シンポジウムの実行が困難な状況の中でスタートしたために、特に現地ワークショップを中心に計画変更が余儀なくされた。 しかし、この研究はインターネットの先にある自然風景地、自然に関するオンライン・デジタルな情報が、現地を訪れたこともない都市住民にとって、自然風景を感じ・親しみ・かけがえのない自然と感じられるのかどうかを明らかにすることを目的としているため、インターネット上のライブ・アーカイブデータにより自然モニタリングと、文学とサウンド作品などの芸術表現との関係性に注目していることから、計画変更は、フィールドワークをコロナ禍の制限に従った最小限とし、ワークショップとシンポジウム及び研究分担者とのミーティングのほとんどを遠隔オンラインに切り替えての実施とした。 そのため、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19への行動規制に従いながら、本研究課題の最大の特徴である「インターネットを活用した自然風景地の保護と利用」を自然地のデジタルデータと、芸術作品とについて、都市住民がどのように興味・関心を抱き、かけがえのない自然と認識するのかを明らかにするための検討を進める。
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