研究課題/領域番号 |
20H03014
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
一ノ瀬 友博 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 教授 (90316042)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 鳥類 / ドローン / 猛禽類 / 赤外線センサー |
研究実績の概要 |
モニタリングサイト1000のサイトがいくつか位置する山形県酒田市の海岸林、および沿岸部の農地に残存する森林には数多くの猛禽類が同所的に繁殖していることで知られている。オオタカ、ノスリ、ミサゴ、トラフズク、フクロウ、トビなどが近接する森林で繁殖している。それらの種の営巣環境選択を明らかにするために、営巣場所を調査し、周辺の植生構造を調査した。加えて、ドローンを用いてより広域的な植生を把握するとともに、航空LiDARにより営巣場所として選択される植生構造が把握できないか分析を行っている。特にオオタカに着目すると、対象地には大径木のアカマツ、クロマツが存在し、それらを選んで営巣しているように見える。しかし、マツノザイセンチュウによるマツ枯れも広がっており、大径木のマツが失われつつある。若齢の樹木のみの林分には営巣が確認されておらず、リモートセンシングにより営巣環境が把握できそうである。 ドローンを用いた鳥類のリモートセンシング手法として、水辺から森林への環境傾度における鳥類と植生構造の把握を試みた。ドローンにおいても可視光以外に、赤外線センサー、近赤外線センサーを搭載したものが一般的に利用されるようになり、近赤外線センサーを持つドローンは農業において盛んに活用されるようになっている。赤外線センサーでは放射熱を検知できるので、夜間における哺乳類調査には活用されるようになっている。2022年度には兵庫県播磨町のため池とその周辺の環境において、夜間における鳥類の分布を動画と静止画によって把握し、暗視スコープによる目視の調査をほぼ同様の確認ができることがわかり、また大規模なため池ではドローンを使った調査にアドバンテージがあることが分かった。環境傾度の調査においては、近赤外線センサーを用いたリモートセンシングにおいて植物の種組成の変化と構造の変化の同時に扱える可能性が示せた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初山形県酒田市においては現地調査を数多く実施する予定であったが、コロナ禍に入り、学生との現地調査に制約がかかり、2022年度には緩和されたものの、前半は学部生の帯同ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度には並行してモニタリングサイト1000のデータの分析に注力した。
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