研究課題
近年、大型台風などによる甚大な森林被害は国内外で毎年報告されている。しかし、森林内の立木がどのように破壊(倒伏や幹折れなど)されるのか、そのメカニズムは解明されていない。本研究では、立木の地上部複数箇所、根、根周辺の土壌の振動と変位、及び降雨・風速・風向を同時観測することで、立木が倒伏する動的メカニズムの解明とモデル化を目的とする。2020年11月に森林総合研究所千代田試験地(茨城県かすみがうら市)内のスギ5本を含んだプロットを設置した。まず地下部にも歪みセンサーを設置するため、地中レーダを使用した根の探索及び根の直径を計測した。その後、樹幹および根のひずみ、土壌の移動、土壌の含水率、樹幹流、雨量、風向風速を常時計測するために、歪みセンサー、慣性計測装置、雨量計、樹冠流計測器、風速計の計150個のセンサーを設置し、2023年11月まで観測を実施した。観測期間中には、歪み値をモーメントへ変換するためのパラメタを取得するため、計4回の引張試験を実施した。本試験では各対象木を8方向に引っ張る試験を実施した。本試験では、幹の高さ3mの位置に独自に開発した回転式ワイヤー設置具を取り付け、手動ウィンチでワイヤーを引っ張りながら、引っ張り力応力と幹の傾倒角度、幹及び根のひずみ計測を行った。その結果、水平根のなかにどの方向に力がかかったとしても反応する、基盤となる根が存在する可能性が示唆された。2023年2月には、信州大学において対面及びオンラインでの検討会を開催し、風に対する根の反応を含めた議論がなされた。2023年11月には最後の試験とセンサー回収と並行して立木地上部及び根の計測を実施した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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関東学生会第 63 回学生員卒業研究発表講演会予稿集
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