研究課題/領域番号 |
20H03031
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
石井 弘明 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (50346251)
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研究分担者 |
榎木 勉 九州大学, 農学研究院, 准教授 (10305188)
鍋嶋 絵里 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (10710585)
宮崎 祐子 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (20443583)
東 若菜 神戸大学, 農学研究科, 助教 (20780761)
鵜川 信 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (30582738)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 気候変動 / スギ / 肥大成長 |
研究実績の概要 |
(1)宮崎大学演習林のスギクローン試験地において、スギ品種ごとの肥大成長速度、木部組織および水分通道の違いについて、木部資料の採取および測定機器の設置によって調査した。 (2)スギの物質生産に遺伝および環境要因が及ぼす影響を明らかにするために,複数の地域に設置された共通圃場において,品種による生産量,窒素利用,成長様式などの違いを定量 化する。 (3)成長特性の異なるスギ2系統の形成層帯で発現する遺伝子群の季節変化を把握するため、2系統4個体ずつから採取した組織についてRNA-seqを行った。 (4)愛媛大学農学部附属演習林において、スギ品種ごとの年輪試料採取を行い、安定同位体比測定のための試料調整を行った。 (5)鹿児島大学高隈演習林にて、スギ6品種の細根形質を調べたところ、細根形質の品種間差を確認したが、斜面位置にともなう細根形質の順応的変化は検出されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響により、一部の遠征調査が中止になり、試料の採取とその後の分析が遅れている。 (1)宮崎大学の試験地では、コロナ禍の影響で電源の調整に行くことができず、R3年の成長開始期に実験設定が間に合わなかったため、試料採取を1年延期した。 (2)4つの異なる地域の共通圃場において,スギの生葉と落葉の窒素含有量を測定し生産性と窒素利用の関係を明らかにするとともに成長錐から得られた年輪情報から肥大成長に見られる環境応答の品種による違いを明らかにした。 (3)RNA-seqによるデータ取得が終了した。現在、分析結果待ちである (4)愛媛大学では安定同位体比測定のための試料調整として、森林総合研究所に出張し、年輪試料の薄片を作成した。 (5)地下部の順応性の違いについて、日本森林学会で発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
(1)R3, 4年の成長開始期を含む、年輪組織の資料を採取予定 (2)サンプリングを実施していない共通圃場において,樹冠にアクセスしサンプリングを行う。間伐を予定している共通圃場において,伐倒木からサンプリングを行い高さ方向での変 化を測定し解析に加える。最終的には地上部純一次生産量に品種が及ぼす影響を評価する (3)スギ品種ごとの年輪内安定同位体比を測定し、品種によって生理的な特性が違うのか、年変動はあるかについて明らかにする。 (4)スギ品種ごとの年輪内安定同位体比を測定し、品種によって生理的な特性が違うのか、年変動はあるかについて明らかにする。 (5)今後は、他の調査地(宮大田野演習林や九大福岡演習林)で各スギ品種の細根形質の順応的変化を検証する。
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