研究課題
基盤研究(B)
細胞壁のセルロースは、セルロースミクロフィブリルが集合した束の形態をとっている。昼が長い環境で形成された細胞壁ではセルロースミクロフィブリル束の断面が極端に大きなものが散在した。一方、夜が長い環境で形成された細胞壁では束のサイズは小さなものが比較的均一に存在した。細胞壁の新生面に夜間に供給されるマトリックスがセルロースミクロフィブリルの集合を抑制していると考えられる。夜長で作られた細胞壁の方が足サイズがより均一であるため力学性能は概して優れた結果を得た。
木質科学
細胞壁のセルロースミクロフィブリルのサイズは、報告によって大きく異なり、10倍以上の違いがある。生育時の日照時間にセルロースミクロフィブリルの集合が影響を受けることが本研究によって明らかになり、学術的な説明の一助をもたらした。また、細胞壁は日周性を持って形成される意義の一つを、セルロースミクロフィブリル束の分布様式の点から説明し、細胞壁の力学性能を生育から制御する可能性を示唆できた。