研究課題/領域番号 |
20H03046
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
堤 祐司 九州大学, 農学研究院, 教授 (30236921)
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研究分担者 |
雉子谷 佳男 宮崎大学, 農学部, 教授 (10295199)
藤田 弘毅 九州大学, 農学研究院, 助教 (90264100)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ペルオキシダーゼ / CWPO-C / オーキシン / 成長制御 / 木化 / 過剰発現体 / 発現抑制体 / 発現解析 |
研究実績の概要 |
CWPO-C過剰発現組換え体シロイヌナズナ(OEライン)を作成した結果、OEラインは成長速度が遅く、中でも最も成長抑制が大きいラインOE11は、遺伝的に安定した後代において60%の苗の先端がカールするという異常な表現型を示した。さらに、植物体を水平に倒した後の立ち上がり屈性試験において、OEラインはコントロールに比べて立ち上がり時間が著しく延長したことから、CWPO-Cの生理機能の一つとして、オーキシン代謝制御を予想した。アラビドプシス組換え体の内在性インドール-3-酢酸(IAA)は、OE11ではIAA濃度が野生型の約1割まで減少していることや、大腸菌で発現させたリコンビナントCWPO-Cはin vitroにおいてIAAを代謝物に変換したことも確認したことから、CWPO-Cの生理機能として、IAAの代謝不活性化による成長制御機能を提唱した。 次に、ポプラを用いてOEラインと発現抑制(RNAi)ラインを作成した。ポプラOEラインは、若干の成長促進ならびに屈性時間の短縮など、アラビドプシスOEラインとは大きく異なった表現型をした。一方で、ポプラRNAiラインは外見上の成長や形状は野生型と大きな違いを認めないが、横断面において木部の発達が遅れ、木化細胞が大きく減少した。RNAiラインのリグニン量は減少し、リグニン中のβ-O-4結合比率は顕著に増加していることから、CWPO-Cの抑制は木化レベルや、リグニン構造にも影響することが明らかとなった。これらの結果から、CWPO-Cの生理機能として、木部組織の発達や木化制御に加え、IAAの代謝不活性化を介した若い組織における成長制御というペルオキシダーゼの生理的機能に関する重要な知見が得られた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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