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2022 年度 実績報告書

カイヤドリウミグモ寄生によるアサリ漁業被害に関する研究:効果的対策手法の提案

研究課題

研究課題/領域番号 20H03062
研究機関新潟大学

研究代表者

宮崎 勝己  新潟大学, 自然科学系, 教授 (20263064)

研究分担者 玉置 雅紀  国立研究開発法人国立環境研究所, 福島地域協働研究拠点, 室長 (00311324)
冨山 毅  広島大学, 統合生命科学研究科(生), 准教授 (20576897)
山田 勝雅  熊本大学, くまもと水循環・減災研究教育センター, 准教授 (80569195)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード環境DNA / 飢餓耐性 / 形態形質 / 生活史 / 寄生状況
研究実績の概要

東京湾盤津干潟で採集したカイヤドリウミグモ自由生活個体について発生段階を調査し、全て成体であることを確認した。採集個体を熊本大学の実験室に持ち帰り、飼育密度を様々に変えた状態で飼育し、各水槽の飼育水を用いて環境DNAの検量線を作成した。一部個体を熊本大学合津臨海実験所で長期飼育したが、成体の更なる脱皮は確認されなかった。
カイヤドリウミグモの飢餓耐性を調べる実験手法を検討し、同じくアサリの食害生物であるサキグロタマツメタを使って、手法の実効性を確認した。
本年度までに得られている新潟大学及び熊本大学実験室保有のカイヤドリウミグモ全標本を整理し、エクセルを使ってリスト化した。リスト化した情報に基づき、カイヤドリウミグモ国内個体群の標本を選抜し、種の標徴として用いられている各種形態形質の見直しを行い、各形質の種内変異の程度を把握した。
カイヤドリウミグモの古い採集記録(1930年代と70年代)がある天草に近い水俣湾で、二枚貝へのカイヤドリウミグモの寄生の有無を調査したが、寄生個体は発見されなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度はコロナ禍に伴う各種制約が徐々に解けてきたが、春季個体群の最盛期には採集が間に合わず、当初予定より小規模での実験の実行に留まり、これまでの研究進捗の遅れを完全に取り戻すには至らなかった。

今後の研究の推進方策

カイヤドリウミグモ出現海域及び未確認海域で海水サンプリングを行い、環境DNAによるカイヤドリウミグモ発生モニタリングの実証実験を進める。
新産地及び過去に記録がある産地におけるカイヤドリウミグモの採集を試み、産地数を増やすことで、集団遺伝解析による各個体群の由来や生息域の拡大状況の把握の精度を高める。
宿主二枚貝と寄生ウミグモの関係性について、特に宿主二枚貝の行動や生残状況との関係に着目した飼育実験を行う。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Starvation tolerance of early stage Laguncula pulchella (Naticidae).2022

    • 著者名/発表者名
      Kento Kinoshita & Takeshi Tomiyama
    • 雑誌名

      Journal of Shellfish Research

      巻: 41 ページ: 355-359

    • DOI

      10.2983/035.041.0306

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] カイヤドリウミグモ(ウミグモ綱、トックリウミグモ科)で発見されたセメント腺の性状について2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木由紀・宮﨑勝己
    • 雑誌名

      Proceedings of the Arthropodan Embryological Society of Japan

      巻: 54 ページ: 23

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 日本におけるウミグモ研究のこれまでとJAMBIO合同沿岸調査に期待するこれから2022

    • 著者名/発表者名
      宮﨑勝己
    • 学会等名
      第7回JAMBIOフォーラム
    • 招待講演
  • [学会発表] カイヤドリウミグモのセメント腺の性状と分類形質としての有効性について2022

    • 著者名/発表者名
      宮﨑勝己・酒井麻祐子・鈴木由妃
    • 学会等名
      日本動物学会第93回大会
  • [図書] 海産無脊椎動物多様性学2022

    • 著者名/発表者名
      京都大学フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所創立100周年記念出版編集委員会(編)
    • 総ページ数
      706
    • 出版者
      京都大学学術出版会
    • ISBN
      9784814004492

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公開日: 2024-12-25  

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