研究課題/領域番号 |
20H03078
|
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
武村 政春 東京理科大学, 教養教育研究院神楽坂キャンパス教養部, 教授 (50303623)
|
研究分担者 |
村田 和義 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 特任教授 (20311201)
緒方 博之 京都大学, 化学研究所, 教授 (70291432)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 巨大ウイルス / ヒストン / 水圏生態系 / ウイルス・宿主相互作用 / 細胞動態解析 |
研究実績の概要 |
研究代表者らの研究により、巨大ウイルスは世界的に多様に分布し、水圏生態系の重要な一員となっていることが示唆されている。そこで本研究では、ウイルス・宿主相互作用ならびに巨大ウイルスの生態と進化を、真核生物進化の枠組みの中で解明するという目的を定め、水圏生態系の中に巨大ウイルスが存在する意味を明らかにすることを目指した。 (1)ウイルス・宿主相互作用:(1-1)マルセイユウイルスの一種ホクトウイルスがもつガラクトース結合タンパク質遺伝子(マルセイユウイルス自身がもつものと宿主がもつものの両方)の発現ならびに宿主細胞表面の糖鎖構造を、感染と非感染とで比較解析を行った(論文投稿準備中)。(1-2)各巨大ウイルスが宿主に及ぼす細胞動態レベルでの影響を、細胞動態解析プログラムPKA3を用いて明らかにした(論文発表済、論文投稿準備中)。またメドゥーサウイルスについて、真核生物と同じくフルセットのヒストン遺伝子をもち、宿主の細胞核内で複製することが明らかとなっており、メドゥーサウイルスヒストンの構造的特徴をタンパク質の構造解析ならびに結晶構造解析により明らかにすることを目指し、令和2年度に引き続き、構造解析のためのタンパク質精製とヌクレオソーム再構築実験を行った(論文投稿準備中)。またメドゥーサウイルスのトランスクリプトーム解析を行った(論文発表済)。 (2)分布と多様性:(2-1)令和2年度に分離したミミウイルス科ウイルスCotonvirus japonicusの全ゲノム解析ならびに構造解析をとりまとめ、論文として発表した。(2-3)国内の他地域ならびに水環境や土壌環境から新たな巨大ウイルスの分離を試み、いくつかの新規マルセイユウイルス、新規ミミウイルス、ならびに巨大ウイルス関連新規バクテリアの分離に成功した(論文発表済、論文投稿準備中)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言等に伴い、研究テーマのうち「ウイルス間競争」に関する研究が遅延した以外、当初予想されていたほどの研究遅延はなく、おおむね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
研究課題申請時の予定通り、研究を推進していく予定である。
|