本研究では、RACK1とDHAの相互作用に着目しDHAの抗がん作用解明に取り組んだ。本研究において、RACK1とPKCβまたはPKCθとの相互作用抑制効果が、脂肪酸の中でもDHA特異的は作用であること、DHAがPKCθとRACK1の細胞内局在を変化させること、DHAによる抗腫瘍効果がPKCθ発現細胞において発揮されること、DHAはPKCシグナル伝達を抑制することを新たに見出した。これらの結果は、これまで知られていなかった、DHAの抗がん作用に関する新たな作用機序であり、DHAがPKCθシグナル依存的に細胞増殖を行う細胞に特に有効である可能性を示している。
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