研究課題/領域番号 |
20H03103
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
水谷 孝一 筑波大学, システム情報系, 教授 (50241790)
|
研究分担者 |
海老原 格 筑波大学, システム情報系, 准教授 (80581602)
若槻 尚斗 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40294433)
善甫 啓一 筑波大学, システム情報系, 助教 (70725712)
前田 祐佳 筑波大学, システム情報系, 助教 (20650542)
西藤 岳彦 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門, 研究領域長 (00263393)
常國 良太 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門, 主任研究員 (30460679)
石田 三佳 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 上級研究員 (10391369)
中久保 亮 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 主任研究員 (20585319)
小島 陽一郎 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業研究センター, 上級研究員 (80577916)
石井 雅久 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, ユニット長 (10343766)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 豚 / スマート豚舎 / 生体・環境情報 / センシング / ヘルスケア / AI / 活動量 / 呼吸器感染症 |
研究実績の概要 |
生体・環境情報を長期間に亘って常時計測・分析し、予防的な視点での疾病対策や発育の管理を可能にする養豚現場に適した豚ヘルスケア基盤技術の実現を目的として、令和2(2020)年度は、生態・環境情報収集ハードウエアの構築を行った。概要は以下の通りである。 〇豚監視カメラ・マイクの高機能化として、既存の監視カメラ・マイクシステムから得られる情報を高速で処理・記録するための中央処理装置を構築した。研究成果の一部は、Misaki MitoらComputers and Electronics in Agricultureに掲載された。しかしながら、今年度はCOVID19の影響で、豚舎への移動が制限されたため、糞便の監視機能の追加、心拍監視機能の一つである心拍数を計測する仕組みの追加が困難であった。次年度以降に逐次追加していく予定である。 〇豚舎用の超音波プローブを作製した。環境騒音からの影響を低減するために、当初は40 kHzの超音波プローブの導入を検討したが、伝搬距離の関係で、遠距離まで到達する可聴音帯を用いる事に変更し、環境騒音の影響を軽減するために変調方式を工夫してSNRを改善した。研究成果の一部として、Kazuya Tajimaらによる「An efficient subcarrier arrangement for airborne OFDM communication using parametric loudspeaker」が、Japanese Journal of Applied Physicsに掲載され、豚舎内の壁面反射音対策にも繋がる関連した研究成果として、土屋らによる「地下環境における点検ロボットのための音響反射を利用した自己位置推定法」が、土木学会論文誌F3に掲載された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
豚監視カメラ・マイクの高機能化と豚舎用超音波プローブの構築を行った。ハードウエアの作製は概ねでき、関連するものを含めて、雑誌論文として3編、学会発表として5件の研究成果を発表する事ができたので、「おおむね順調に進展している」としたいところであるが、COVID19の影響で豚舎へのアクセスに制限があったため、ハードウエアを豚舎に実装しての確認ができなかったため、「やや遅れている」という進捗状況とした。次年度以降、逐次豚舎での実装を試み、COVID19による遅れを取り戻す予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
令和3(2021)年度は、センサ情報を加工・処理する基盤ソフトウエアの確立のために、ストレス・疾病メタデータベース構築、温熱ストレス不可実験、疾病感染実験等を、並行して健康状態推定エンジンを構築する予定である。当初の予定に加えて、COVID19の影響で令和2(2020)年度に実施できなかった、ハードウエアの豚舎での実装実験も行う予定である。 令和4(2022)~令和5(2023)年度は、単一豚舎または大型農場での実証実験を計画しているが、2020年度に各地で発生した豚インフルエンザの影響で、営農者の豚舎や農場への立ち入りが難しくなっているため、実験施設での実証実験に変更せざるを得ないかもしれないと考えている。その場合であっても、スマート豚舎構築に向けた技術の確立を図る予定である。
|