30kgから125kgの豚を対象に、3Dカメラを使用した体重推定システムの試作を行った。このシステムは、3Dカメラから得られるデータを基に豚の体重を推定する技術であり、具体的にはカメラが捉えた豚の画像から背骨を検出し、その背骨を中心にして左右対称性を考慮した画像処理を行った。カメラが捉えていない体の部分については、撮影された側のデータを基にして推定し、補完することで全体の体形を再現した。さらに、豚の撮影時におけるカメラの傾きや豚の向きを調整し、どの角度から撮影された画像も真上から見た画像に変換し、これによって体重データのばらつきを大幅に抑えることが可能になった。 装置のロバスト性を高めるために、色情報だけでなく、距離情報を利用した。通常、色の違いを利用した画像処理では、土や敷料が豚の体に付着している場合、または黒い模様ある豚では、背景から正確に切り出すことが困難である。しかし、3Dカメラによる距離画像の取得により、これらの問題を克服し、黒豚などの色が濃い豚でも正確に画像から切り出すことが可能になった。実際の黒豚を用いた実験で、この技術の有効性が確認された。 装置内に進入した豚は平均で30秒程度滞在し、体重推定処理は4~5秒で完了する。これにより、豚が装置内にいる間に複数回の測定を行うことが可能となり、得られるデータの安定性を向上させることができた。 さらに、従来の豚衡機とこのカメラを用いた体重推定システムを比較検討したところ、メンテナンスの容易さ、結果が得られるまでの速さ、そしてデータの整合性といった面でカメラシステムの方が優れていることが明らかになった。 これらの結果から、畜産業における体重測定の効率化に大いに貢献する可能性がある。
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