研究課題
ワクモ(PRM, Dermanyssus gallinae)、ミナミトリサシダニ(TFM, Ornithonyssus bursa)、トリサシダニ(NFM, Ornithonyssus sylviarum)などの鳥類に寄生する吸血性ダニの蔓延は、養鶏業の生産や動物福祉に有害な影響を与えるため大きな問題となっている。これらのダニを防除するために、鳥類ダニ種に対する交差防御能を有するワクチンを開発することが有望である。”ユニバーサルワクチン”としての可能性を評価するため、これら3種のダニにおいて、マダニの防除などで有効なワクチン抗原として報告されているフェリチン2(FER2)など4つの候補抗原を同定した。これら4つの候補抗原の推定アミノ酸配列は、3種のダニ間で高度に保存されていた。そこでこれらの候補分子を組換えタンパク質として調製して、ダニ種を超えたワクチン抗原としての可能性を評価するため、ニワトリに各組換えタンパク質を免疫して抗血清(血漿)を作製した。組換えFER2(rFER2)やシステインプロテアーゼ(rCP)を免疫した鶏由来のプラズマは、異なるダニ種のrFER2またはrCPと交差反応性を示した。さらにin vitro feeding assayにより、PRMに加えて、TFMやNFM由来のrCPまたはrFER2に対する各免疫血漿を吸血させたPRMの生存率が、対照群の生存率よりも有意に低いことが明らかになった。これらの結果は、CPやFER2が鳥ダニに対する”ユニバーサルワクチン”を開発するための有効なワクチン抗原となり得ることを示唆している。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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