イヌ皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)におけるCCR4およびCCR7の役割を評価するために、CRISPR-Cas9を用いたゲノム編集によってCCR4またはCCR7をノックアウトしたEO-1を作製し、SCIDマウスの皮下に移植した。その結果、CCR4またはCCR7をノックアウトしたEO-1を移植したマウス(ノックアウト群)においては、野生型EO-1を移植したマウスに比較して腫瘍細胞の全身転移が有意に抑制された。また、ノックアウト群では腫瘍細胞移植部位における結節形成も有意に抑制された。さらに、CCR4およびCCR7のリガンドを用いたin vitro細胞増殖アッセイでは、リガンド刺激によってEO-1の増殖が促進されることが明らかとなった。以上の結果から、CCR4およびCCR7が腫瘍細胞の遊走と増殖の両方に関与している可能性が示唆された。
|