| 研究課題/領域番号 |
20H03152
|
|---|
| 研究種目 |
基盤研究(B)
|
| 配分区分 | 補助金 |
|---|
| 応募区分 | 一般 |
|---|
| 審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
|
|---|
| 研究機関 | 山口大学 |
|---|
研究代表者 |
西垣 一男 山口大学, 共同獣医学部, 教授 (20401333)
|
|---|
| 研究分担者 |
三宅 在子 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (20548622)
中川 草 東海大学, 医学部, 准教授 (70510014)
久末 正晴 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (80333144)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
| キーワード | 内在性レトロウイルス / ウイルス進化 / 受容体 / 共進化 / 抵抗性因子 / ERV-DC / FeLV / Retrovirus |
|---|
| 研究成果の概要 |
Refrex-1はFeLV-Dおよび家猫のERV-DCに対する制限因子である。これらウイルスの侵入受容体として銅トランスポーターCTR1を同定した。Refrex-1は、侵入受容体CTR1との競合を介してウイルス感染を阻止した。この効果はCTR1依存的に侵入する霊長類ERVにも及んだ。さらに、チンパンジー、ボノボ、ゴリラ、カニクイザル、アカゲザルのゲノムで見つかった欠損型ERV Envはネコや霊長類のレトロウイルスによる感染も阻止した。分泌性Envが種の境界を越えてレトロウイルス感染を抑制できることを示し、ウイルス拡散を制御する機能を有していた。この抗ウイルス機構は収斂進化によって出現していた。
|
| 自由記述の分野 |
感染免疫学
|
| 研究成果の学術的意義や社会的意義 |
内在性レトロウイルス（ERV）は、古代のウイルス感染の名残であり、ヒトや哺乳類ゲノムの数％を占めている。ERV由来の分泌性エンベロープ蛋白質が、ウイルス感染に関して制御因子として機能していることが明らかとなり、同様のメカニズムで生じている抗ウイルス機構が、様々な動物において認められた。このことはERVによる抗ウイルス機構の出現は、収斂進化によることが示された。本研究はERVのゲノムにおける存在意義の一つとして解明したと考えられる。明らかになった抗ウイルス機構をヒントに、感染症の分野において新たな切り口で感染防御方法を開発することが期待される。
|
