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2021 年度 実績報告書

接種した細菌の生死をコントロールできる高効率・高安全性生ワクチンの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20H03158
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

加藤 祐輔  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, グループ長補佐 (60214409)

研究分担者 江口 正浩  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門, グループ長補佐 (00312215)
長澤 裕哉  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門, 研究員 (20759352)
林 智人  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門, グループ長 (90297630)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード細菌生ワクチン / 弱毒化 / 大腸菌 / サルモネラ属菌 / 生物学的封じ込め / 非天然アミノ酸 / 乳房炎 / 家畜サルモネラ症
研究実績の概要

今後のワクチン株の改良手段として、遺伝子組換え生物にあたらない生死コントロール株の作出法を検討した。現状で用いている生死コントロール法は、外来遺伝子である毒素-抗毒素遺伝子、およびアミノアシルtRNAシンテターゼおよびtRNA遺伝子からなる非天然アミノ酸組み込みのための遺伝子セットをプラスミドとして病原細菌に導入するため、遺伝子組換え微生物となり、使用には法的規制の障壁が生じる。そこで、外来遺伝子の導入を必要とせず、作出するワクチン株が遺伝子組換え生物に該当しない生死コントロール法の開発を行った。その結果、人工的に修飾された栄養素の存在によってのみ生存できる細菌の作出に成功した。また、遺伝的に安定して後代に伝達される生死コントロール遺伝回路を考案し、その概念実証に成功し た 。
生死コントロールできるサルモネラ属菌のワクチン株の免疫誘導能についてマウスで検証した。親株である強毒性サルモネラ属菌の接種では、末期にサイトカインストームが発生し、死に至る。ワクチン株の接種により、死亡の原因であるサイトカインストームを抑止することが、新たに見出された。
大腸菌においては、皮下接種により抗大腸菌LPS抗体の強い誘導が認められた。その強度は死菌ワクチンに比べて、著しく高かった。また、感染実験においては、強い死亡阻止効果が認められた。症状の発現度を詳しく比較したところ、無接種および死菌ワクチン接種した個体に比べて、生死コントロールワクチン接種したものは最も軽症だった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

初年度にCOVID-19が流行し、研究活動が制限された。そのため、研究計画は、全体的に延べ送りになっている。遅れを取り戻すように、計画の実施速度を当初の想定以上に上げることを試みたが、十分には取り戻せていない。
上記のように、スケジュール的には遅れているが、計画の進行自体は、想定どおりに進んでいる。大腸菌およびサルモネラ属菌に対して、非天然アミノ酸により毒性の発現が制御される2ないし3つの毒素ー抗毒素を組み込んだワクチン試験株を構築し、抗体・サイトカインの産生および感染防御・死亡阻止を指標に、ワクチン効果の検証を進めている。

今後の研究の推進方策

遺伝子組換え生物にあたらない生死コントロール株の作出法については、対象微生物を安定的に増殖させる技術を開発する。遺伝的に安定な生死コントロール遺伝回路については、用いる致死性遺伝子の同定を進めて、より高い性能を模索する。
サルモネラ属菌ワクチンについては、引き続き抗体・サイトカイン誘導、および死亡阻止効果などを指標に、ワクチン効果の検証を進める。
大腸菌ワクチンについては、サイトカイン分析などにより、生死コントロールワクチンの優位性をさらに検証する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 生死をコントロールできる病原細菌を用いた高効率・高安全性ワクチンの構築2022

    • 著者名/発表者名
      加藤祐輔、長澤裕哉、中山ももこ、小川洋介、アリバムスワミシャ・デビ、杉山碧、江口正浩、林智人
    • 学会等名
      日本農芸化学会2022年度大会

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公開日: 2024-12-25  

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