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2020 年度 実績報告書

カニクイザル胚を用いたヒト多能性幹細胞キメラ形成能評価系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20H03170
研究機関東京大学

研究代表者

正木 英樹  東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (20571988)

研究分担者 依馬 正次  滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 教授 (60359578)
水谷 英二  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80443034)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード多能性幹細胞 / キメラ / 発生 / 臓器再生 / カニクイザル / 霊長類
研究実績の概要

当初は培養下でヒト/カニクイザル多能性幹細胞→カニクイザル胚キメラを発生させ、ドナー細胞の発生ポテンシャルを評価することを想定していた。しかし、カニクイザル胚とヒト/カニクイザル多能性幹細胞双方に最適な培養条件が見いだせず、培養下では正確な発生ポテンシャルの評価が困難であると判断された。そこで、キメラ胚をin vivoで評価することに方針を変更し、カニクイザル→カニクイザルの同種間キメラの子宮移植系を立ち上げた。レシピエント個体は生理周期の合ったものを選抜するが、着床率は平均で1/3程度である。R2-R3年度には3回の採卵を実施し、1回はレシピエント不在、1回の子宮移植、1回は新型コロナウィルス流行のため胚を凍結保存するとの結果になった。現時点では妊娠個体が得られていないため、採卵とレシピエント個体双方が揃う機会が得られるよう試行を続ける。カニクイザルES細胞はヒトプライム型(=従来型)ES/iPS細胞と類似した性質を有するため、カニクイザルES細胞を用いてキメラを作成することでプライム型多能性幹細胞の発生ポテンシャルを評価することはできる。現時点では信頼度の高いカニクイザルナイーブ型多能性幹細胞が存在しないことから、カニクイザルを含めた非ヒト霊長類ナイーブ型多能性幹細胞を樹立し、カニクイザル胚内で発生ポテンシャルを評価する。今年度はチンパンジーナイーブ型多能性幹細胞の樹立に成功し、その性状がヒトナイーブ型多能性幹細胞に極めて類似していることが明らかになった。次年度も引き続きカニクイザルナイーブ型多能性幹細胞の樹立に取り組む。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルス流行を受けて、多施設間研究の実施・実験動物の入手に問題が生じた。特にカニクイザルの価格高騰は深刻な問題であり、研究計画時に一頭60万円だったのが、現在では一頭250万円前後となり、限られた頭数で生理周期が合った個体が見つかるのを待つ状態になっている。
研究成果が得られないような状況を避けるため、ヒト・非ヒト霊長類多能性幹細胞を用いた培養下でのアッセイ系を並行して準備している。

今後の研究の推進方策

キメラ形成実験については、保有するカニクイザル個体数に比して一回の実験で必要となる個体数が多いため、採卵個体・レシピエント個体の生理周期が合うタイミングを探し引き続き試行を続ける。
カニクイザル胚を用いずにできる培養下での発生ポテンシャル評価系を並行して開発を進めている。
R2-3年度にチンパンジーナイーブ型多能性幹細胞を作出することができた。カニクイザルナイーブ型多能性幹細胞を加えることで、ヒトと非ヒト霊長類間の多能性維持機構・発生メカニズムについて、進化的な共通性・相違性をより体系的に解明できると考えており、引き続きカニクイザルナイーブ型多能性幹細胞の樹立に取り組む予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] ヒト臓器作製を目的としたヒト→動物キメラ作出研究の課題と展望2022

    • 著者名/発表者名
      正木英樹
    • 学会等名
      第21回再生医療学会年会
    • 招待講演
  • [学会発表] チンパンジー多能性幹細胞を用いた異種間キメラ形成能の評価2022

    • 著者名/発表者名
      正木英樹
    • 学会等名
      第50回ホミニゼーション研究会

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公開日: 2022-12-28  

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