研究課題/領域番号 |
20H03172
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野田 大地 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (50712551)
|
研究分担者 |
原山 洋 神戸大学, 農学研究科, 教授 (30281140)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 精子 / 受精 |
研究実績の概要 |
マウスの心臓、肝臓、脾臓、腎臓、脳、精巣、卵巣、および子宮を採取し、それぞれの組織からTotal RNAを抽出した。得られた各組織由来のTotal RNAから逆転写酵素を用いてcDNAを合成し、PCRを行ったところ、sperm oocyte-fusion required (Sof) 2やSof3は精巣で強く発現していた。Single cell RNAseqデータベースにより、Sof2~3 は特に精子細胞に多く存在することが分かった。 Sof2~3のコーディング領域内に数種類のguide RNAを設計した。gRNA/Cas9発現プラスミド(もしくはgRNAとCas9タンパク質)を受精卵に導入して、Sof2やSof3にそれぞれ変異を持つF0マウスを作製した。その後、交配させてSof2やSof3のsingle ノックアウト(KO)マウスを得た。これらのKO雄マウスと交配した雌マウスからは産子が得られなかった。 Sof2やSof3のコーディング領域をpETベクターやpGEXベクターに組み込み、大腸菌(BL21株)に導入して、SOF2やSOF3タンパク質を発現させた。精製タンパク質をKOマウス、ラットおよびハムスターに免疫して抗体作製を試みたものの、現在まで特異的に認識する抗体は作製できていない。そこで、アフィニティタグをSof2や3の翻訳領域のC末端側に結合させた発現ベクターを作製し、受精卵前核に注入してトランスジェニック(Tg)マウスを作製した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書に記入した研究計画通りに研究を遂行できたため。
|
今後の研究の推進方策 |
作製したTgマウスの精巣や精子を使って、SOF2~3の検出や免疫沈降したタンパク質複合体の質量分析により相互作用する因子の同定を試みる。相互作用する因子が同定されたら、ゲノム編集技術により遺伝子改変マウスを作製して、精子-卵の融合メカニズムにおける役割を明らかにしたい。また、引き続き抗体作製にトライして、Izumo1などの融合関連因子を欠損した精子でのSOF2~3の性状を明らかにするとともに、抗体添加培地を用いた融合阻害実験によりSOF2~3で融合に関連する領域の特定に取り組みたい。
|