in vivo生物発光イメージングの検出感度を飛躍的に向上させる人工生物発光システムAkaBLIを基盤として非侵襲かつ非拘束な生体分子イメージングを可能にする人工生物発光プローブ技術の開発に取り組んだ。ホタル生物発光反応に基づくAkaBLIシステムは基質(AkaLumine)がATP、Mgイオン存在下において、発光酵素(Akaluc)の触媒作用により、AMP化、酸素化反応が進行し、その結果、発光を生成する。生物発光反応は酵素反応であるから、反応場の環境によって酵素活性(即ち発光活性)が変化する。 本研究では、この生物発光が持つ曖昧さをうまく活用し、Akalucの発現部位における場の状況(細胞の環境)変化に応答して発光強度を増減させる強度変化型の生物発光プローブの作動原理の確立を目指し、基盤データの取得を行った。当該年度では、特にin vitroでのAkaluc及び複数のAkaluc改変体の発光活性の評価を中心に実験を行なった。具体的には、Akaluc精製タンパク質(及び複数のAkaluc改変体)とAkaLumine溶液の濃度を固定し、反応溶液の各種サンプルの濃度、pH、温度を変化させ、その酵素活性(発光強度)データを取得した。その結果、幾つか環境変化に鋭敏に応答し、発光活性を変調させるAkaluc改変体を見出しており、動物個体への適応を試みているところである。
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