研究課題
基盤研究(B)
本研究では、分裂酵母のヘテロクロマチン形成に重要なヒストンH3K9メチル化酵素Clr4と、Clr4を含むCLRC複合体に着目し、それらの活性や機能がどのように制御されているか検討を行った。その結果、Clr4はC末端のSETドメインを含む領域を介して、CLRC複合体の構成因子の一つと直接相互作用することを明らかにした。また、Clr4のメチル化活性が、自身のN末端領域とC末端領域の分子内相互作用によって、自己制御されていることを明らかにした。
分子生物学
真核細胞の染色体に存在するヘテロクロマチンは、染色体の機能やゲノム恒常性の維持、エピジェネティックな遺伝子発現制御に重要な役割を果たしている。ヒストンのメチル化修飾はヘテロクロマチンの重要なマークであり、そのメチル化修飾の制御機構を明らかにする本研究は、高次生命現象を理解する上で重要な課題である。本研究は、ヒストンのメチル化酵素Clr4の制御機構の一端を明らかにした画期的な成果であり、進化的に保存されたヒストンメチル化酵素の活性制御の分子機構の理解にもつながる成果である。