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2022 年度 実績報告書

神経変性疾患に関連した反復配列RNA分子の反復回数に依存した液液相分離の構造基盤

研究課題

研究課題/領域番号 20H03192
研究機関京都大学

研究代表者

片平 正人  京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (70211844)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード液液相分離 / コンデンセート / 並進拡散 / 横緩和 / 核酸
研究実績の概要

瀧ノ上等によって見出されたY字型DNAに関して生じる液液相分離(Sato等、Science Advances, 2020)について、コンデンセート層及び分散相における分子の挙動をNMR法によって解析してきた。Y字型DNAと別の分子を共存させ、Y字型DNAによって引き起こされる液液相分離において、この別分子がコンデンセート層に巻き込まれた際に、どのような挙動を示すのかを解析した。並進の拡散係数をNMR法によって決定する事で、巻き込まれた分子の並進運動に関する情報を取得した。一方横緩和時間をNMR法によって決定する事で、巻き込まれた分子のその場での回転運動に関する情報を取得した。4重鎖構造を形成し比較的球に近い形をとるテロメアDNAに関しては、コンデンセート層に巻き込まれると、Y字型DNAが形成する網目構造の為に並進運動は制限を受けるが、その場での回転運動は制限を受けない事が分かった。コンデンセート層においても、その場で回転するには十分な空間が生じているのだと考えられる。AMPに関しては、分子が小さい為に並進運動はY字型DNAの網目による制限を受けない事が分かった。アルギニンに関しては、コンデンセート層に巻き込まれると、Y字型DNAの主鎖のリン酸基の負電荷とアルギニン側鎖の正電荷による静電相互作用の為に、AMPより分子量は小さいにもかかわらず、並進運動が制限を受ける事が分かった。液液相分離によって生じるコンデンセートは、様々な生化学反応の反応場として機能する事が想定されている。反応場における分子の挙動に関する知見が得られた事は意義深い。
加えて、インセルNMR法の方法論の開発と応用の研究も進行させ、生細胞内の分子の構造、ダイナミクス及び相互作用に関する情報を取得する事に成功した。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Complex Formation of an RNA Aptamer with a Part of HIV-1 Tat through Induction of Base Triples in Living Human Cells Proven by In-Cell NMR2023

    • 著者名/発表者名
      Eladl Omar、Yamaoki Yudai、Kondo Keiko、Nagata Takashi、Katahira Masato
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 24 ページ: 9069~9069

    • DOI

      10.3390/ijms24109069

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Structure, dynamics and interaction of nucleic acids in living human cells as revealed by in-cell NMR2023

    • 著者名/発表者名
      Masato Katahira
    • 学会等名
      The 10th Asia-Pacific NMR
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Base pair opening dynamics of G4 and aptamer-ligand interaction in living human cells as revealed by in-cell NMR2023

    • 著者名/発表者名
      Masato Katahira
    • 学会等名
      Nucleic Acids Secondary Structures: G4s and Beyond
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Difference in the base-pair opening dynamics of nucleic acids between in vitro and in-cell conditions2023

    • 著者名/発表者名
      Masato Katahira
    • 学会等名
      International Society of Magnetic Resonance 2023
    • 国際学会
  • [備考] 片平研究室

    • URL

      https://www.iae.kyoto-u.ac.jp/bio/

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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