自然免疫分子STINGのオルガネラ局在に応じた活性制御機構とその破綻による疾患

2022 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20H03202
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 審査区分: 小区分43030:機能生物化学関連
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 向井 康治朗 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (90767633)
• 研究期間 (年度): 2020-04-01 – 2023-03-31
• キーワード: 自然免疫シグナル / 細胞内物質輸送 / 小胞体 / ゴルジ体 / エンドソーム / リソソーム

研究成果の概要

自然免疫は異物を排除するための先天的に備わっているシグナル伝達経路であり、STING経路はDNAウイルス感染など細胞質DNAに応答する主要な自然免疫応答経路の1つである。我々は本研究において、細胞内でのSTINGの活性制御機構を解析し、定常状態においてCOP-I小胞輸送を介してSTINGを小胞体に維持する機構や (Mukai et al., Nat Commun 2021など)、活性化後のSTINGをリソソームが分解する機構 (Kuchitsu & Mukai et al., Nat Cell Biol 2023) を明らかにした。

自由記述の分野

細胞生物学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究では、定常状態において小胞体にSTINGを留める分子機構や、ゴルジ体で活性化した後のSTINGシグナルが収束する分子機構を明らかにし、それらの破綻が過剰な炎症応答に繋がることを見出した。これらの成果は、細胞内でのSTING経路の新規活性制御機構を明らかにしただけでなく、自己炎症性疾患の病態発症機序の解明やSTING特異的阻害剤の創薬研究にも貢献している。