研究課題
2022年度は、本研究計画の最終年度(3年目)に当たる。本研究の目的は、「複合tRNA修飾酵素は、どのようにして特定のtRNAの特定の部位に作用するのか?」であり、「各サブユニットは、酵素反応全体でどのような機能を持つのか?」を明らかにすることである。真核生物が持つtRNAメチル化酵素複合体(Trm11-Trm112)はtRNAの10位のグアノシンを2-メチルグアノシンに変換する。酵母では、43種のtRNAのうち、20種がこの修飾を受けるが、Trm11-Trm112がtRNAのどこを認識して、特定のtRNAを選択(排除)しているのか全く不明であった。申請者らは、Trm11-Trm112がtRNAのCCA末端、G10-C25塩基対、5ヌクレオチドからなるバリアブル領域、アンチコドンループの38位周辺のリボースリン酸骨格を認識し、非基質tRNAを排除していることを明らかにし、Trm11のTHUMPドメインがCCA末端に結合し、Trm112がアンチコドンループを認識するモデルを提案した。これらの研究結果をInt. J. Mol. Sci.誌に報告した。次世代DNAシーケンサを併用した新たなtRNAメチル化酵素解析法を開発し、J. Biol. Chem.誌に報告した。複合tRNA修飾酵素ArcS-RaSEA複合体が4-チオウリジン修飾の影響を受けるのか調査するため、新たな4-チオウリジン検出法を開発し、RNA誌に報告した。また、偶然、一部の古細菌が新規な4-チオウリジン合成経路を保持していることを発見した。上記研究成果に関連し、THUMPドメインに関連する総説をGenes誌に報告し、次世代DNAシーケンサを併用した新たなtRNAメチル化酵素解析法の詳細なプロトコールをMethods Enzymol.誌にまとめた。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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