ATP13A2はリソソームではたらくポリアミン輸送体であり、細胞外からのポリアミン取り込み経路において重要な役割を持つ。ATP13A2はパーキンソン病の原因遺伝子としても同定されており、これは老化にともなって細胞内のポリアミン合成が減少すると、ATP13A2のはたらきが相対的に重要になるためであると考えられている。今回の研究から、ATP13A2はNTDと呼ばれる独自のドメインが脂質と相互作用して、特定のコンフォメーションを安定化することで、輸送活性を制御していることが示された。これらの成果は、将来的には、ATP13A2を標的とした、新たなパーキンソン病の治療薬の開発などへつながる可能性がある。
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