研究課題/領域番号 |
20H03226
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
菅 倫寛 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 教授 (60634920)
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研究分担者 |
中島 芳樹 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特任助教 (60847052)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 光合成 / 膜タンパク質 / 光化学系II / 水分解反応 |
研究成果の概要 |
psbA遺伝子から発現するD1タンパク質の機能的な違いを明らかにするため、それぞれ1つのpsbA遺伝子(psbA2またはpsbA3)のみを発現する2株のPSII二量体を結晶化し、これまで研究されてきたPsbA1-PSIIと同等の分解能で構造解析した。その結果、PsbA2-およびPsbA3-PSIIでは、GlnからGluへの変化により、pheophytin/D1(PheoD1)とD1-130間の水素結合が強くなり、PsbA3で観測されたPheoD1の酸化還元電位の上昇を一部説明できることがわかった。この成果はJBC誌に論文発表した。 また、高スピン状態のS2状態のデータは現在解析を進めている。
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自由記述の分野 |
構造生命科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光化学系IIはタンパク質複合体であり、触媒部分のMn4CaO5 のクラスター(酸素発生中心)はD1タンパク質に保持されている。D1タンパク質はPsbA遺伝子によってコードされているが、通常の条件ではPsbA1遺伝子が発現する。一方、乾燥条件などの特殊な条件ではPsbA2遺伝子またはPsbA3遺伝子が発現する。PsbA2およびPsbA3を発現した光化学系IIを結晶構造解析することで、これらPsbAタンパク質の役割を明らかにすることを目指したものである。本研究で得られた立体構造は、3つのPsbAバリアントの機能的な検証のための構造的な基礎を提供するものと考えられる。
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