真核生物は15種類のDNAポリメラーゼを持つが、その中でも、Polζ(ゼータ)は自然突然変異の主な原因であり、遺伝情報の安定性とDNAポリメラーゼ機能との関連を論じる上で重要な分子である。PolζはPolδとサブユニットを共有し、細胞内でのPolδの状態がPolζの機能に大きく影響すると考えられる。本研究では、分裂酵母を使用して、Polδのサブユニットの核内での動態がPolζの機能に及ぼす影響を明らかにすることを試みた。その結果、DNA損傷に応答した機能として、Polδのサブユニットの1つであるCdc1因子の細胞内での量に応じてDNAポリメラーゼζの機能が制御されることを明らかにした。
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