体内に張り巡らされる血管網は、酸素や栄養などを運ぶ運搬流路であり、一定のルールに従って形成される。本研究では血管ネットワーク形成について、特に血管リモデリングと血流との相関に焦点をあてて研究を進めた。ニワトリ初期胚では、背側大動脈の血流の一部が体節20番目レベルから胚体外に向かい、その部分で卵黄大動脈が作られる。解析の結果、卵黄大動脈の形成位置が心拍血流開始次期によって規定されることが見出された。血流を局所的に停止させると卵黄大動脈の形成は起こらず、また血流刺激による細胞内シグナリングにはRho活性制御が含まれることなどがみえてきた。本研究による成果はがん生物学にも貢献すると期待される。
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