研究課題
有尾両生類は失った器官を再生させることができる。このような再生能力はヒトなどの哺乳類では想定されない。この差はいったいどこにあるのかは長年の謎である。我々は世界に先駆けて発見した再生誘導因子を使用し、この因子の下流遺伝子動態の差を再生不能動物と再生可能動物とで比較することで、再生能力の差異に迫れると考えた。世界的にも珍しい研究室だけが持つ培養技術と、多様な動物種を扱えるというアドバンテージを生かし、次世代シーケンサーを用いた多種間比較解析を行う。本研究で明らかになる再生不能動物と再生可能動物との差異を埋めていくことで、人などの非再生動物における器官レベルの再生の実現を目指すことを目的にしている。当該年度は、2020~の成果をより世界に広めるために広報活動を行う。また、再生誘導因子によるリプログラミングを解析する新しい手法を確立し、新たにゲノム支援を通じて、より詳細な解析として昇華させつつある状況にある。この解析によって、長年の懸案事項であった分化細胞の定義を達成し、細胞リプログラミングに関する知見を新しいステージに載せることが可能になる。じっさい分化細胞も定義に関わる内容は、別論文として2つの論文として先駆けて報告した。研究計画としては、定義する分化細胞をグランドステートとし、一細胞解析でグランドス テートの分子実態を把握する。そのうえで、再生誘導因子を適用し、グランドステートからの分子的な解離を探索することで、リプログラミングの実態因子を把握できると考えている。先年度の交付申請時に付した、再生体のサイズに違いに着目した研究活動も行いたい。現在 これも論文作成途上である。この実験の中で、世界で不可能とされた表現型も得ることができているため、極めて反響の大きい論文を作ることができると考えている。以上の実験などを本年後の活動計画とする
1: 当初の計画以上に進展している
論文としてはすでに複数本発表できている。ゲノム支援の研究を付加することで、当初の研究計画を大きく超え進展している
ゲノム支援の居力を得た研究計画進める。また、上記概要に書いたように色々と波及成果が出てきているのでそれらも研究成果物として発表するように勧める。来年度が最終年度となるので、主に研究をまとめ、次のステップに乗るような方向に舵を切る。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)
Developmental Biology
巻: 489 ページ: 14-25
10.1016/j.ydbio.2023.03.007.
iScience
巻: 25(7) ページ: 104524
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