研究課題/領域番号 |
20H03270
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
丸山 千秋 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳・神経科学研究分野, プロジェクトリーダー (00281626)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 大脳皮質 / サブプレート / 脳進化 / シングルセル解析 / 空間的遺伝子発現解析 |
研究実績の概要 |
サブプレートニューロン(SpN)は大脳皮質で最初に誕生、成熟するニューロンで、生後は大部分が細胞死により消えていくことが知られている、脳発達期に一過的に存在するニューロンである。SpNは神経細胞移動や初期の神経回路形成など、脳構築過程で必須の役割を果たしていることが示唆され、また精神疾患との関連も報告されているなど、その機能や細胞の特徴など、未だ未解明な部分が多い。そこで本研究ではSpNの分子発現の特徴を捉え、サブタイプや発生起源、その役割の詳細等を明らかにすることを目的としている。 2021年度はSpNのシングルセルRNAseq解析の結果の解析が進んだ。 Lpar1-GFP陽性のSpNの他にNeuroD1-Cre/Ai14(E10Tmx)のTomato陽性SpNのデータも得られ、それらを統合解析することで、胎生期のSpNの新規の分子マーカー候補を同定した。また、Visium空間的遺伝子発現解析のデータも、マウス、ニワトリの発生期脳で得ることができた。今後はこれらの解析をさらに進めることで、大脳新皮質の発生と進化のメカニズムの解明を進めて行きたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ当初の予定通りSpNのマーカー遺伝子の同定まではできた。今後はそれらの発現が発生ステージを通してどのようなパターンを示すのかを確認すると共にサブタイプの明確化も進めて行きたい。
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今後の研究の推進方策 |
今後はN数が足りないNeuroD1-Cre/Ai14(E10Tmx)のシングルセル解析を行って、そのデータも合わせて解析し、データの精度を上げていく。また、ニワトリとマウスのVisiumデータを統合解析することで、脳進化と大脳皮質の層構造との関係を考察していく予定である。
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