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2022 年度 実績報告書

気孔装置におけるCO2応答の分子基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20H03279
研究機関九州大学

研究代表者

射場 厚  九州大学, 理学研究院, 名誉教授 (10192501)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードCO2 / 気孔
研究実績の概要

植物は気孔を介して大気とガス交換を行っているが、同時に水分損失や病原菌侵入のリスクを伴うため、気孔の開閉は周囲の環境変化に応じて適切に調節されている。CO2濃度の上昇による気孔閉鎖には、アブシジン酸 (ABA) を介したシグナリング経路が関わっているが、ABA非依存的な気孔応答制御機構も存在しており、ABA変異体でも気孔閉鎖応答能力が完全に失われるわけではないことがわかっている。しかしABA非依存的な気孔応答メカニズムの実体は不明な点が多い。当該年度において、サーマルイメージング技法と蒸散測定装置を用いた順遺伝学的スクリーニングにより、シロイヌナズナM2植物の中から野生型と比較して高い蒸散速度を示す変異体aics1 (ABA-independent CO2 signaling 1) を単離した。単離した変異体の気孔特性を精査したところ、気孔開度と気孔密度がともに上昇していた。この変異体では低湿度に応答して正常にABAを合成する能力を有しており、また葉にABA処理したときの気孔閉鎖応答性も正常であったことから、この変異体の気孔特性の変化はABA非依存的に引き起こされた可能性が示唆された。この変異体の原因遺伝子として同定したAICS1は、これまで気孔応答への関与が報告されていない遺伝子であった。今後、単離した原因遺伝子の機能解析を進めることは、ABA非依存的な気孔応答メカニズムの実体解明への足がかりとなると考えられる。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] PECT1, a rate‐limiting enzyme in phosphatidylethanolamine biosynthesis, is involved in the regulation of stomatal movement in Arabidopsis2023

    • 著者名/発表者名
      Negi Juntaro、Obata Tomoki、Nishimura Sakura、Song Boseok、Yamagaki Sho、Ono Yuhei、Okabe Makoto、Hoshino Natsumi、Fukatsu Kohei、Tabata Ryo、Yamaguchi Katsushi、Shigenobu Shuji、Yamada Masashi、Hasebe Mitsuyasu、Sawa Shinichiro、Kinoshita Toshinori、Nishida Ikuo、Iba Koh
    • 雑誌名

      The Plant Journal

      巻: 115 ページ: 563~576

    • DOI

      10.1111/tpj.16245

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 塩ストレスにより表皮細胞特異的に誘導されるアントシアニンの蓄積には表皮葉緑体が必要である2024

    • 著者名/発表者名
      小畑 智暉、立花 輝太、王丸 将貴、射場 厚、袮冝 淳太郎
    • 学会等名
      第65回日本植物生理学会年会
  • [学会発表] アブシシン酸非依存的な気孔応答に関係するシロイヌナズナ新規変異体の解析2023

    • 著者名/発表者名
      中江 聡子、秀野 智紀、祢冝 淳太郎、小嶋 美紀子、竹林 裕美子、榊原 均、射場 厚、門田 慧奈
    • 学会等名
      日本植物学会第87回大会
  • [学会発表] 脂質合成酵素に異常を持つ新規気孔葉緑体形成不全変異体の単離及びリピドーム解析2023

    • 著者名/発表者名
      大隈 玲央奈、宋 普錫、山柿 将、小畑 智暉、西村 さくら、射場 厚、祢冝 淳太郎
    • 学会等名
      日本植物学会第87回大会

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公開日: 2024-12-25  

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