研究課題/領域番号 |
20H03284
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
杉本 慶子 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (30455349)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 細胞リプログラミング / 器官再生 / 植物ホルモン / ストレス応答 / シロイヌナズナ |
研究実績の概要 |
傷害ストレスは細胞リプログラミングを誘導し、器官再生を促進するが、その分子機構は断片的にしか理解されていない。私たちは最近傷害ストレスが高温ストレスと一部共通した遺伝子発現変化を起こすことを見出しており、本研究ではこの知見をもとに傷害応答性の細胞リプログラミングを制御する転写制御機構の解明を進めることを目的としている。特に組織培養系を用いて細胞リプログラミングに関与する傷害シグナル受容後初期の転写制御ネットワークを明らかにすることと、葉肉プロトプラストの培養系を用いてこれらの制御因子の最終分化細胞からのリプログラミングにおける機能を明らかにすることを目指す。今年度は注目している上流転写因子の下流標的遺伝子の同定を進めるため、これまでに取得したRNAseq、ChIPseqデータを用いて上流転写因子が直接制御することが予想されるストレス応答関連遺伝子群、及び間接的に発現誘導することが予想されるリプログラミング遺伝子群を抽出し、これらの機能欠損体、過剰発現体の表現型解析を進めた。この結果、組織培養系での細胞リプログラミングを正に制御する新規因子を複数同定することに成功した。これらの解析から明らかになりつつある転写制御関係をさらに遺伝学的に検証するため、細胞リプログラミングに関与することが判明した遺伝子の機能欠損体と上流因子の過剰発現体を掛け合わせ、これらの植物体の表現型を解析する準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、注目している上流転写因子が直接制御することが予想されるストレス応答関連遺伝子群、及び間接的に発現誘導することが予想されるリプログラミング遺伝子群の機能解析を進めた。これらの因子の機能欠損体、過剰発現体を整備し、表現型解析を進めた結果、いくつかのストレス応答関連遺伝子については、組織培養系での細胞リプログラミングへの関与を確認することができた。また間接的に発現誘導される遺伝子群の中から新規のリプログラミング促進因子を単離することができた。そこでこれらの間接誘導されるリプログラミング遺伝子の機能欠損体に上流因子の過剰発現体を導入し、明らかになりつつある転写制御ネットワークを遺伝学的に検証する実験材料の整備を進めた。これらの成果は当初の研究計画で予定していた内容に概ね合致するものであり、最終年度である来年度の論文化に向けて研究は順調に進展していると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、注目している上流転写因子が直接制御することが予想されるストレス応答関連遺伝子群、及び間接的に発現誘導することが予想されるリプログラミング遺伝子群の機能解析を進めた。これらの因子の機能欠損体、過剰発現体を整備し、表現型解析を進めた結果、いくつかのストレス応答関連遺伝子については、組織培養系での細胞リプログラミングへの関与を確認することができた。また間接的に発現誘導される遺伝子群の中から新規のリプログラミング促進因子を単離することができた。そこでこれらの間接誘導されるリプログラミング遺伝子の機能欠損体に上流因子の過剰発現体を導入し、明らかになりつつある転写制御ネットワークを遺伝学的に検証する実験材料の整備を進めた。これらの成果は当初の研究計画で予定していた内容に概ね合致するものであり、最終年度である来年度の論文化に向けて研究は順調に進展していると判断される。
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