体軸形成は、生物の形態形成を支える現象である。植物の体軸は、オーキシン排出担体PINの細胞における偏在によって規定される。PINの偏在化機構としては、PINが特定部位へ小胞輸送され続けるモデルが提唱されてきた。一方、私は、PINが細胞膜上で拡散や小胞輸送されない多量体様のクラスターを形成することを見出した。また、クラスター形成因子MAB4を同定した。そこで本研究では、PINとMAB4について詳細な解析を行った。その結果、(1)両者が相互作用すること、(2)クラスター形成がPINの偏在化に重要な役割を果たすこと、(3)PINのクラスター形成は、陸上植物間で保存されていること、などを見いだした。
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