研究課題/領域番号 |
20H03294
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
志賀 向子 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (90254383)
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研究分担者 |
品田 哲郎 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (30271513)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 光周性 / 幼若ホルモン / 神経ペプチド / ルリキンバエ / 概日時計 / 時計遺伝子 |
研究成果の概要 |
多くの昆虫は光周性を用いて季節に適応しているが、概日時計細胞がどうやって日長を測り休眠を調節するかについてはわかっていない。本研究では、分子生物学、神経解剖学、生化学的方法によりルリキンバエの脳側方部ニューロンの一部が概日時計と神経分泌の二つの機能を持つことが示唆された。また、そのニューロンが分泌する神経ペプチドDh31が、アラタ体の幼若ホルモン合成および分泌を抑制することが明らかになった。この時計/神経分泌ニューロンが短日条件でアラタ体のJH合成を抑制し、休眠を誘導あるいは維持する機能を持つのかもしれない。
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自由記述の分野 |
神経生物学、時間生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物や植物は光周性を用いて季節に対応している。多くの昆虫は過酷な季節の到来を日長から予測し、あらかじめ生殖や成長を抑制した休眠に入る。日長の判断には24時間を計る体内時計が用いられると考えられている。本研究では、昆虫の脳に時計と神経ホルモン分泌という二つの機能を持つ神経細胞が存在することが示唆された。これは、今後、動物が季節を予測し過酷な環境に備えるためのメカニズムの解明につながるという学術的意義を有する。また、本研究は昆虫の休眠調節にも関連し、様々な環境問題に直面する中、ヒトと昆虫がうまく共存する手掛かりを与える広い意味での社会的意義を有している。
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