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2020 年度 実績報告書

花組織報酬型送粉シンドローム

研究課題

研究課題/領域番号 20H03306
研究機関東京大学

研究代表者

川北 篤  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (80467399)

研究分担者 望月 昂  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (80822775)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードモクレン属 / タイワンオガタマ / オガタマノキ / アザミウマ / タコノキ属 / ハナケシキスイ属 / ニューカレドニア
研究実績の概要

本研究は、国内外における野外調査をもとに、花組織を報酬とする送粉共生系の多様性を浮き彫りにし、それらに共通する花形質を見出すことで、従来の送粉シンドロームの枠にとどまらない、被子植物の花の多様性に対する新しい理解を切り拓くことを目的としている。2020年度は、モクレン科オガタマノキ属の送粉を調査し、琉球列島のタイワンオガタマ、および本土に分布するオガタマノキが、ともに花弁に産卵し、幼虫が花弁や花粉を食べて成熟するアザミウマによって送粉されていることを明らかにした。モクレン属の多くの種は春に花が咲き、主に甲虫などに送粉されるが、オガタマノキとタイワンオガタマは晩秋や冬に咲き、花も他のモクレン属植物に比べて小さい。こうしたモクレン属の中でも特異な花形質がアザミウマ媒へのシフトと関連があることが示唆される。また、新型コロナウイルスの影響で繰り越した研究費を使用して、2022年度にタコノキ属が適応放散しているニューカレドニアで野外調査および標本調査を行った。2021年度までにタコノキ属のアダンが、花で繁殖するハナケシキスイ属の1種に送粉されることを見出している。調査の結果、ハナケシキスイがニューカレドニアのタコノキ属にも存在すること、またタコノキ属の種ごとに異なる種のハナケシキスイが 共生している可能性が高いことが分かった。これらは、タコノキ属ーハナケシキスイ属の共生が日本だけでなく世界中で多様化している可能性を示唆している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルスの影響がありながらも、モクレン属におけるアザミウマ媒の発見をはじめとして多くの成果があった。ニューカレドニアにおける調査では、タコノキ属ーハナケシキスイ属の共生が世界で多様化している可能性を見出すことができた。

今後の研究の推進方策

研究費の繰越があったため、この実績報告書を作成している時点で本研究課題は終了しているが、得られた成果を論文として発表すべく鋭意努力している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Community-level plant?pollinator interactions in a Palaeotropical montane evergreen oak forest ecosystem2020

    • 著者名/発表者名
      Kato Makoto、Kawakita Atsushi、Goto Ryutaro、Okamoto Tomoko、Kobayashi Chisato、Imada Yume、Nakase Yuta、Nishioka Tatsuki、Chanthavong Bakham、Keothumma Khamsing、Kosaka Yasuyuki
    • 雑誌名

      Journal of Natural History

      巻: 54 ページ: 2125~2176

    • DOI

      10.1080/00222933.2020.1837977

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2023-12-25  

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