• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

夏緑樹林におけるアーバスキュラー菌根共生の実態解明

研究課題

研究課題/領域番号 20H03318
研究機関山形大学

研究代表者

富松 裕  山形大学, 理学部, 教授 (40555398)

研究分担者 横山 潤  山形大学, 理学部, 教授 (80272011)
松尾 歩  東北大学, 農学研究科, 助教 (90868754)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード夏緑樹林 / アーバスキュラー菌根 / 菌根共生ネットワーク / DNAメタバーコーディング分析 / 生活史
研究実績の概要

今年度は、植物とAM菌の相互作用ネットワーク分析について、一定の成果が得られた。北海道の夏緑樹林内に半径5mのプロットを12ヶ所に設け、プロット内に生育する植物の細根を各種につき1個体ずつ採集した。採集した植物は林冠木7種、林床植物33種、中間層に生育する低木やつる植物12種の計52種で、林内に生育する植物種の約半数に当たる。いずれの種も、開花個体や十分に成熟した個体から細根を採集した。細根から抽出したDNAをテンプレートとして、アーバスキュラー菌根(AM)菌のDNAメタバーコーディング分析を行った。rRNA遺伝子の小サブユニット領域(約550bp)をsemi-nested PCRにより増幅し、Miseqを用いてペアエンドシーケンシングを行ったところ、原因不明のエラーにより、リバース側配列の一部が得られなかった。AM菌のメタバーコーディングにおいて有益な変異の大部分は本領域の5'にあることから、フォワード側配列のみを用いて分析を行ったところ、93のAM菌OTUが観察され、本林分には少なくとも4目8科8属に及ぶ多様なAM菌が存在していることが分かった。また、AM菌群集の組成は植物種によって有意に異なるだけでなく、植物の生育型によっても異なっていた。どの植物種もGlomeraceaeと高い頻度で共生し、林冠木でその傾向が顕著だったが、Archaeosporaceaeは主に林床植物と共生していた。林床植物は、林冠木と多くのAM菌OTUを共有していたが、Glomeraceaeに対する選好性は林冠木に比べて低かった。しかし、得られた配列が想定していたよりも短かったことから、各OTUと仮想種(VT)との対応関係については明らかにできなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19拡大に伴う影響により、野外調査において制約が生じたこと、次世代シーケンサーで原因不明のエラーが発生したことにより作業がやや遅れている。

今後の研究の推進方策

次年度、遅れている作業を継続して行う。次世代シーケンシングについてはライブラリの調整方法について改めて検討し、問題の解決を図る。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 夏緑樹林に生育する植物とアーバスキュラー菌根菌の相互作用ネットワークの分析2021

    • 著者名/発表者名
      佐藤莉咲,村田怜,橋本靖,山岸洋貴,松尾歩,陶山佳久,横山潤,富松裕
    • 学会等名
      第68回日本生態学会大会
  • [学会発表] 林床植物21種における根形質とアーバスキュラー菌根菌感染率の種間変異2021

    • 著者名/発表者名
      佐久間夕芽,佐藤莉咲,富松裕
    • 学会等名
      第68回日本生態学会大会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi