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今年度の主な実績として、北海道の夏緑樹林で採取された菌根の次世代シーケンスデータに関する再分析を行った。これまで、リボソームRNA遺伝子小サブユニット約550bpの塩基配列に基づくアーバスキュラー菌根菌のDNAメタバーコーディング分析を目指してきたが、試行錯誤を行っても、次世代シーケンサー(Illumina MiSeq)による完全な配列決定が困難であることが判明した。このため、ペアエンドシーケンシング(2 x 300bp)によって得られたデータのうち、菌種による変異に富んだリバース側配列180bpを用いた再分析を行った。この間、解析技術が進展したことから、データを Qiime2 にインポートし、類似度100%の配列クラスター(Amplicon Sequence Variants)を作成し、q2-feature-classifier の scikit learn アルゴリズムを用いて、信頼閾値90%で属を割り当てることができた。得られた結果は仮想的分類単位(OTU)に基づく分析と類似したものであったが、アーバスキュラー菌根菌群集が宿主植物の種や生育型によって異なるだけでなく、林床植物では、林冠木や低木など中間層の植物に比べてグロムス科(Glomeraceae)の割合が顕著に低いことが分かった。また、観察された ASV のうち、全体の39%は林床植物でのみ見られ、林冠木と共有している ASV は17%に過ぎなかった。このことから、この夏緑樹林に生育する植物はアーバスキュラー菌根菌に対して有意な選考性を示すこと、植物種の生育型に応じて共生する属の構成が異なることが示唆された。
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